南十字星part2  20063()16 JICA SV 加藤眞理

2年前に日本からやって来た青年3人と私にとって最後となる定例会が、6月2日にコロニアで行われました。今回のヴァルジェン・グランジの休会を、とても残念に思っています。


「第145回定例会」



6月2日(土)、第145回聖南西教育研究会定例会がコロニア・ピニャールモデル校で開催されました。教師26人(他に青年ボラ1名特別参加)し、各文協の役員も沢山参加してくださいました。また、へジストロからは福沢さんが研究会の活動を見学にみえました。

午前中の講義の第1講では、ソロカバのペドロ先生が、生粋のブラジル人教師として、少なくともこの2年間では初めて定例会で講義をしました。ペドロ先生の配布資料をご覧になると分ると思いますが、本人は資料作成にとても時間を掛けて準備をしました。でも、シニアと丁寧に打ち合わせをする時間的余裕が余り無かった為、またかなり上がってしまったので、いつもの調子で講義することは出来ませんでした。でも、まずまずの講師デビューをしたと思います。第2講のカッポン・ボニートの太田康子先生も、初めての経験だそうですが、今まで定例会で他の先生が発表した講義をよく見ていらしたので、多少、緊張していらっしゃいましたが、まっすぐ前を向いて堂々と発表なさいました。

今回は、諸事情により昼食前に送別会が行われました。

6月一杯で退職なさるソロカバの関恵先生とJICAの4人が簡単に挨拶をして、聖南西教育研究会から記念品を頂戴しました。関先生は、お母さんが日本語学校の教師をしていましたが、更に自身もピラール日本語学校で日本語をきちんと勉強してきました。その努力が報われて、今回晴れて希望する日系企業に就職が決まりました。常に笑顔でファイトに溢れ、リーダーシップと生徒に対する愛情が人一倍強い先生だったので、聖南西教育研究会を背負って行って欲しい人材だと思っていましたが、関先生の新たな門出を心より祝福したいと思います。

聖南西教育研究会には、関先生の他にも数名の日本語学校出身の先生がいますが、とても良いことだと思います。次代の教師を育てていると思って、先生方も頑張って生徒を指導してください。

午後からの協議事項最大の議題は、「お話学習発表会」のあり方についてでした。今回参加なさった役員には、現在の「発表会」方式をご理解頂きましたので、今後も発表会方式で継続させて頂くことになりました。時間を掛けて討論はしましたが、役員から本音が出たのかと危惧するところです。なぜなら、この2年間で父兄や役員から発表会方式が良いという声を聞いたのは、唯一、ヴァルジェンの教師から父兄が現在の方式に賛成していると聞いた以外は「以前の大会方式に戻して聖南西の中での順位を決めて貰いたい」という声しか聞かなかったからです。
皆さんが、本音で話して下さったと理解して良いのかと一抹の不安も抱いていますが、某役員から「高学年には作文を書かせ、それを発表会で発表させて欲しい。教師が作文を指導することで、生徒と教師が共に成長できる」と言う建設的なご意見を頂戴した事はとても嬉しかったです。
また、角田めぐみ先生が「大会方式では、審査する側にも審査能力がないと審査はできない」と鋭い指摘がありました。こういう視点も、皆さん是非とも忘れないで下さい。
2年前に聖南西に赴任し
11校を巡回しました。一度授業を見れば学校間に指導能力差があることは一目瞭然です。また、文協の役員が一世なのか、あるいは二世以降の方が多いのかという事も、日本語学校を大きく左右しています。
ご存知のように
JICAでは継承日本語教育の為に、多額の税金を使ってボランティアを日本からブラジルに赴任させています。10年前から生徒を取り巻く環境が激変していることは、教師自身が一番よく理解している事です。生徒の生活の中に日本語があった時代と同じ指導をしていたのでは、これからの生徒に日本語を教える事は出来ません。尾崎守先生や原たずこ先生が仰るように、教師は常にアンテナを張りめぐらし、日本のボランティア等を利用しながら自己研鑽して欲しいと思います。

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